はたらクラフト

作業中のAIに質問すると性能が落ちる|疑問はforkで別の会話へ

AI活用術

AIに作業をさせていると、途中で疑問が浮かんできます。

「この用語はどういう意味?」
「なぜこの方法にした?」
「他の方針は検討した?」

自然な対応は、その場でAIに質問することです。ところが、それをやるとAIの作業品質が落ちます

悪いのは質問ではなく、聞く場所です。この記事では、元の作業に影響を与えずに疑問を解消できる「forkコマンド」の使い方を、仕組み・研究データとともに解説します。

動画で見たい方はこちら。

作業中の「ついで質問」で、AIの作業品質が落ちる

作業の指示と脇道の質問が同じ会話に積み上がる仕組み

人は作業中に横から質問をされると、目の前の作業に集中できません。AIも、作業の途中で余計な質問を挟まれると、回答の品質が落ちます。

なぜならAIは、そこまでのやり取りすべてを踏まえて次の行動を決めているからです。会話が進むほど、過去のやり取りは消えずに積み上がっていきます。

やり取りに余計な質問が混ざると、どうなるでしょうか。AIはそれも踏まえて次の行動を取ります。作業の指示と脇道の質問が、AIの回答材料として扱われるのです。

仕組みの詳細は、コンテキストウィンドウの解説記事をどうぞ。

この「ついで質問」の会話を、Claude Code公式はkitchen sink session(ごった煮の会話)と呼んでいます。

Claude Code公式のベストプラクティスは、1つの作業の途中で質問をし、また元の作業に戻る会話を、避けるべき失敗パターンに挙げています。

会話を小分けにするほど、AIの性能に悪影響

情報を複数回に分けて伝えると平均39%成績が下がった研究データの比較図

ごった煮の会話の悪影響は、研究データでも裏付けられています。

MicrosoftとSalesforceの研究チームが2025年5月に発表した論文「LLMs Get Lost In Multi-Turn Conversation」では、8社15種類のAIモデルに6種類の作業をさせ、20万件以上の会話をシミュレーションしました。

AIの会話を、

  • 必要な情報を複数回に分けて伝える
  • 全部を一度に伝える

という2パターンで比べた結果、複数回の会話の成績が平均39%悪かったのです。

この研究は、余計な質問を直接試したものではありません。それでも、作業の会話に余計なものを混ぜないことの裏付けとしては十分でしょう。

forkコマンドで、疑問だけを別の会話へ分ける

forkコマンドで会話が分岐し、元の会話は作業に、分岐先は疑問の質問に使われる仕組み

では、作業中に疑問が浮かんだら、どうすればいいのでしょうか。そこで使えるのがforkコマンドです。

forkは「分岐」という意味。それまでの会話をすべて引き継いだ新しい会話を作るコマンドです。

Claude CodeでもCodexでも、/fork と入力すれば使えます。

ChatGPTにも同様の機能があり、メッセージの「⋯」から「新しい分岐を開く」を選ぶと、その時点から別の会話を始められます。

手順:/forkを打つ、分岐先で聞く、元の会話へ戻る

forkの入力、分岐先での質問、元の会話への復帰という3手順の流れ図

手順は3つです。Claude CodeアプリでもCodexアプリでも同じ流れになります。

  1. 作業中の会話で /fork と入力して実行する
  2. サイドバーに増えた新しい会話へ移動するので、そこで疑問を聞く
  3. 解決したら、サイドバーで元の会話をクリックして戻り、作業の続きを指示する

以下の画面のように、/fork と入力すると、Codexアプリでは「チャットを分岐」が表示されます。

Codexアプリで/forkと入力すると「チャットを分岐」のコマンドが表示される画面

Claude Codeアプリでは「fork」のコマンドが表示されます。

Claude Codeアプリで/forkと入力すると「このセッションを新しいセッションとしてフォークする」と表示される画面

実行すると新しい会話がサイドバーに増え、そこへ移動します。分岐先には元の会話がそのまま引き継がれているので、一から説明し直す必要はありません。

分岐先で質問をすれば、AIが作業している元の会話に余計なやりとりが入りません。

ちなみに、Claude Codeのforkでプロンプトキャッシュは引き継がれるので、トークン浪費の心配は不要。一方、Codexはキャッシュが消えます(2026年9月時点で対応中)。

キャッシュの詳細は、プロンプトキャッシュの解説記事を読んでください。

文脈がいらない疑問は、新しいチャットで十分

文脈の要否による、forkと新しいチャットの使い分け

すべての疑問をforkで聞く必要はありません。使い分けは2つだけです。

  • 会話の文脈が必要な疑問(なぜこの方法にした、など):/fork で分岐して聞く
  • 文脈が不要な疑問(単語の意味を知りたい、など):新しいチャットで聞く

注意点:分岐先は質問のみで使う

分岐先を質問だけで使う場合と作業も頼む場合の、元の会話への影響の違い

forkを使うとき、分岐先は質問のみで使いましょう。

分岐先で作業をさせると、そこが「ごった煮の会話」になってしまいます。元の会話でAIが作業中なら、その作業にも影響しかねません。

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まとめ:作業の会話に疑問を混ぜない

この記事の要点は、次の3つです。

  • 作業中のAIに質問すると、AIは作業に集中できず性能が落ちる
  • AIはそこまでのやり取りのすべてを踏まえて次の行動を決めるため、余計な質問も作業の材料になってしまう
  • 疑問は /fork の分岐先で聞き、元の会話は作業に専念させる

質問するほどAIの性能が落ちるのではありません。同じ会話に混ぜるから、AIが混乱するのです。

次にAIの作業中に疑問が浮かんだら、聞く前に /fork を使ってください。それだけで、余計な質問のせいで元作業の品質が落ちるのを防げます。

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