はたらクラフト

複数アプリ開発がラクになるmise|アプリごとにツールバージョンを自動切替

業務改善ノウハウ

AIのおかげで、非エンジニアでも手軽にアプリを作れるようになりました。

ただ、複数アプリを作り始めると、アプリを動かす土台であるNode.jsについて「アプリごとに必要なバージョンが違う」という壁に当たります。パソコンに入れたNode.jsが1つだと、対応しきれなくなるのです。

この記事では、フォルダを移動するだけで開発ツールのバージョンが自動で切り替わる無料ツール「mise」の仕組みと始め方、はたらクラフトでの実際の活用法を解説します。

AIで作るアプリの多くはNode.jsで動く

AIで作ったアプリをNode.jsがパソコンやサーバーで動かす流れ

Node.jsは、JavaScriptというプログラミング言語をパソコンやサーバーで動かすための実行環境です。

AIにアプリ開発を任せると、Node.jsを使う作りになることがよくあります。このWebサイトの開発にもNode.jsを使っています。

Node.jsには「24」「22」といったバージョンがあり、アプリはそれぞれ、作られた時点のバージョンを前提に動きます。

パソコンに1つのNode.jsでは複数アプリに対応できない

1つのNode.jsでバージョン20と24のアプリを動かす際の衝突

Node.jsを公式サイトからそのままインストールすると、パソコン全体で1つのバージョンを共有する状態になります。アプリが1つのうちは、これでも困りません。

たとえば、去年Node.js 20で作ったアプリと、今年24で作るアプリがあるとしましょう。パソコンのNode.jsを24へ上げると、古いアプリが動かなくなる恐れがあります。

アプリを切り替えるたびにバージョンの切り替えもできますが、毎回手間がかかり、バージョン間違いも起きます。複数アプリの開発で、パソコンに1つのNode.jsは現実的ではありません。

miseでフォルダごとに開発ツールバージョンを自動切り替え

miseがアプリのフォルダごとにNode.js 20と24を自動で切り替える仕組み

この問題を解決するのが「mise」です。読み方は「ミーズ」で、料理の下準備を意味する「mise-en-place(ミザンプラス)」が名前の由来です。

開発者のJeff Dickey氏が中心となって開発していて、無料で公開されていますMacでもWindowsでも使えます

機能は、

  • 開発ツールのバージョン管理
  • 環境変数(アプリに渡す設定値)の管理
  • タスクの自動実行

の3つです。この記事では、1つ目のバージョン管理に絞って紹介します。

仕組みはシンプルです。設定ファイル mise.toml に「このフォルダではNode.jsの24系を使う」と書いておくと、フォルダを移動するだけでバージョンが自動で切り替わります

アプリAのフォルダに入れば20、アプリBに入れば24というように、手作業なしで正しいバージョンが選ばれます。

開発も活発で、1〜3日に1回ほどのペースの更新が続いています。

miseの始め方:インストールから利用設定まで

AIへの依頼からmise.toml共有までの3ステップ

導入と設定は、アプリ開発と同じように、Claude CodeやCodexのようなAIエージェントへ依頼できます。

  1. AIエージェントへ、miseの導入を次のように依頼します。

    miseのインストールと初期設定をして

    進め方に迷いがあれば、公式のインストール手順のURLを依頼文へ添えると確実です。

  2. 続いて決めるのは、使うNode.jsのバージョンです。アプリにはLTS(長期サポート版)が向いています。

    いまどのバージョンが最新のLTSかはNode.js公式のリリース一覧で確認できます。2026年7月時点で最新のLTSはNode.js 24です。

  3. AIエージェントでアプリのフォルダを開いた状態で、確認したバージョンを伝えて設定を依頼します。

    このフォルダではNode.jsの24を使うように、miseで設定して

    これでNode.js 24のインストールとmise.toml の作成が同時に済みます。

    mise.toml には node = "24" と保存され、このフォルダは24を使う設定になります。

    もともとパソコンに入れていたNode.jsは消えません。miseで設定したフォルダでは、miseが入れたバージョンが優先して使われます。

mise.toml はただのテキストファイルです。アプリ内に含めて共有すれば、チームやAIエージェントが別の環境で作業しても、バージョンがそろいます。

miseはNode.js以外の開発ツールも管理できる

miseの対応範囲が標準12種から数千ツールへ広がる図

ここまでNode.jsを例に説明しましたが、miseは主なプログラミング言語の多くを、同じやり方で管理できます。

Node.js、Python、Go、Java、Ruby、Rust、Bun、Deno、Elixir、Erlang、Swift、Zigの12種は、標準対応の「コアツール」です。

さらに、公式レジストリ(対応ツールの一覧)には約950種類のツールが登録されています(2026年7月時点)。拡張の仕組みを使うと、対応は数千のツールまで広がります。

はたらクラフトのmise活用法:8ツールを1ファイルで一元管理

1つのmise.tomlで8ツールを手元・AI作業環境・CIへそろえる図

はたらクラフトのサイトでもmiseを使っています。1つの mise.toml で、8ツールのバージョンを管理しています(2026年7月時点)。

[tools]
node = "24.18.0"
pnpm = "11.17.0"
uv = "0.11.32"
"pipx:sqlfluff" = "4.2.2"
actionlint = "1.7.12"
lefthook = "2.1.10"
gitleaks = "8.30.1"
zizmor = "1.28.0"

サイト本体の開発に使うNode.jsから、コードの検査や公開の作業のための細かなツールまで、バージョンを決める場所はこのファイル1つだけです。

新しいパソコンでもAI用の作業環境でも、mise install を1回実行すれば、8ツールが同じバージョンでそろいます。

また、はたらクラフトでは変更履歴を管理するGitとGitHubを土台に、コードを変えるたびに検査や公開を自動で実行しています(CIと呼ばれる仕組みです)。

このCIも同じ mise.toml を読み込むため、手元とCIでバージョンがズレて「自分のパソコンでだけ動く」状態になりません

バージョンを上げるときに直すのも mise.toml の1か所だけです。「情報の定義場所を1つに決める」というSSoTは、バージョン管理でも重要です。

まずは1つのアプリのフォルダでmiseを使ってみる

この記事の要点は次の3つです。

  • パソコン全体で1つのNode.jsを共有する方法では、複数アプリのバージョン違いに対応できない
  • miseを使うと、フォルダごとに決めたバージョンへ自動で切り替わり、手動切り替えが不要になる
  • はたらクラフトは8ツールを mise.toml 1か所で管理し、手元・CI・新しい環境のバージョンをそろえている

まずはmiseのインストールと初期設定、特定のフォルダへの導入をAIへ依頼してみてください。

この記事をシェア