AIの成果物が「思ったのと違う」を防ぐgrill-me
AIに計画を立てさせて作業を任せたら、成果物が「思ったのと違う」。AI利用でよくある失敗です。
原因の多くは、AIの長文計画を読み流しで承認し、認識のズレに気づかないまま作業が進むことです。
この記事では、作業前にAIが一問一答で認識のズレをなくしてくれるスキル「grill-me」を紹介します。
仕組みと導入方法、はたらクラフトでの利用例、向いている作業の順に解説します。
AIの成果物が「思ったのと違う」原因は、計画の流し読み全承認

「新機能を追加したい」のような依頼をすると、AIは長い計画を一気に提示してきます。
隅々まで読んで抜けや誤解を全て見つけるのは大変で、結局なんとなく全承認しがちです。ここで認識のズレが起こります。
ズレたまま完成した成果物の修正には手間がかかります。だからこそ、作業開始前にAIと認識のズレを解消しておくのが効率的です。
grill-meは作業前にAIが一問一答で質問してくるスキル

grill-meは、エージェントスキル(特定の作業手順をAIに覚えさせる仕組み)の1つで、無料で公開されています。
作ったのは、海外有名エンジニアのMatt Pocockさんです。スキル集「mattpocock/skills」に含まれており、GitHubのスター(お気に入り登録の数)が18万を超えている有名スキルです。
使い方は、/grill-me 〇〇の機能の設計を具体化したいのようにスキルにやりたいことを加えて指示するだけ。すると、AIはすぐに作業へ進まず、決めるべきことを1問ずつ質問してきます。
grill-meの質問には、次の特徴があります。
- 質問は必ず1問ずつ
- 各質問にAIの推奨回答がつき、迷ったら推奨回答を選ぶだけで進められる
- 調べれば分かる事実はAIが自分で調べ、こちらが決めることだけを聞いてくる
- 共通理解に達したと確認するまで、AIは作業に着手しない
作者が解説しているとおり、質問が終わると決まった内容の短いまとめが出ます。ここで認識合わせは完了です。
一問ずつのやり取りは回りくどいようですが、計画を一気に出されるより、かなり深く考えられます。
インストールはnpxコマンド1回。AIに任せてもOK
grill-meの実体は、指示が書かれたマークダウンファイルだけで、プログラムは含まれません。
導入方法は2つあります。
方法1: npxコマンドを実行する
前提として、パソコンにNode.js(npxを動かすための実行環境)が必要です。なければ方法2を使ってください。
ターミナル(コマンドを入力する画面)で、次のコマンドを実行します。
npx skills@latest add mattpocock/skills --skill grill-me --skill grillinggrill-meは、一問一答の進め方が書かれた「grilling」というスキルとセットで動くため、2つまとめて指定しています。
実行すると、インストール先のAIエージェントを選ぶ画面が出ます。使っているAIエージェントを選べば完了です。
方法2: AIエージェントにインストール依頼
npxやターミナルの操作に不慣れなら、インストールをAIエージェントに任せられます。次の指示を送ってください。
npx skills@latest add mattpocock/skills --skill grill-me --skill grilling を実行して、grill-meスキルをインストールして必要に応じてNode.jsのインストールもやってくれます。
名刺に何を載せるかをgrill-meで詰めた実例

はたらクラフトでは、AIで名刺100枚を0円で作成したときに、grill-meを使いました。
Claude Codeへ名刺の作成を指示する前に、/grill-meで名刺に何を載せるかを決めるためです。質問は10個ほど、時間にして10分くらいで、次の内容が決まりました。
- 名刺の表面・裏面それぞれに載せる文言
- 入れるアイコン
- 無料30分診断のQRコードの配置
そのまま同じ会話でデザイン作成を依頼し、2、3回の修正指示で名刺のデザインが確定しました。
grill-meは内容を具体化していない作業に向いている

grill-meが向いているのは、やりたいことはあるけれど、具体的な内容まで詰め切れていない作業です。
作者はエンジニアですが、プログラミング以外の作業でも使えます。作者自身も、次にどの講座を作るかの検討など、コーディング以外にも使っていると話しています。
たとえば、次のような場面で使えます。
- 新機能を追加したいが、細かい仕様まで決め切れていない
- 営業戦略を見直したいが、何から整理すればよいか分からない
- 提案資料を作りたいが、構成が固まっていない
質問に答える手間より、後から直す手間のほうが大きい

grill-meは、質問に答え続ける手間がかかります。それでも、一気に出された計画を全承認して後から直すより、最初に詰め切るほうがトータルの手間もコストも少ないです。
計画段階で直すより、作ったあとの修正のほうが手間がかかるのは当然。より時間がかかり、トークン(AIの利用量の単位)の消費も増えます。
一方、grill-meの一問一答は文字のやり取りだけなので、作ってから直すのに比べれば時間もトークンの消費もわずかです。
grill-meで計画のズレを先につぶす
この記事の要点は次の5つです。
- 成果物が「思ったのと違う」になる原因は、計画のなんとなく全承認で残る認識のズレ
- grill-meは1問ずつ推奨回答つきで質問し、共通理解を確認するまで作業しないスキル
- インストールは
npxコマンド1回。npxに馴染みがなければAIエージェントへ依頼する - grill-meが向いているのは、やりたいことはあるが、内容を具体化し切れていない作業
- 手間は計画の認識合わせにかけるほうが、後から直すより速くて安い
まずは、やりたいけど具体化してない作業を1つ選んでください。AIに/grill-meといっしょにやりたいことを伝えれば、認識合わせの一問一答が始まります。
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